塾生の声

Fくん:4年の終わりに入塾したときは算数に苦労したけれど、がんばりました!!

カミオカセミナー塾生

6年生での目標

4・5年生で頑張ったこと

ぼくは4年生の2月に塾に入りました。最初は土曜日の長い時間の授業が大変だったけれど、友達と勉強するのが楽しくて、どんどん慣れていきました。
算数は最初まったくわからずに、ついていくのに苦労しました。だから週テストもボロボロでした。でも頑張りました。
今では週テストで算数は毎回70点以上とれるようになっています。
習い事を続けながら、漢字テストのための勉強や宿題に時間がかかりましたが、頑張りました。
反省点はもう少し早くから算数の基礎に力を入れておきたかったということです。

中学受験Q&A

塾からのメッセージ

カミオカセミナー講師

「習ったことを覚えて解く勉強」や「教えてもらいながら解く勉強」は効率がよく進めやすいので、良い勉強方法であるように思うかもしれません。しかし、それは勉強においてとても大事なことを省いているために、「身につかない勉強」になってしまいます。
それでは、どんな勉強をするべきでしょうか。それは、取りくむ問題に対し「自分ならどう解くか」を考えながら、「正解はなぜそう解くのか」を理解して自分の考えに取り入れることによって、「考える力を鍛える」勉強です。教わったことを覚えても、時間とともに忘れてしまい、また教わるしかないという悪循環を断つためには、「自分の考えを修正しながら、より正確に考える力をつける」勉強をしなければならないのです。

中学受験の勉強をはじめたころは、だれもが自分の解き方を考えることより、習ったことを覚えて解こうとがんばってしまいます。「自ら考える」ためには、間違いたくないという恐れより、間違っても何も自分は傷つかないという「自信」をつよく持たなくてはなりません。あなたは、この1年間で思うように結果が出なかったり、それを克服しようと努力したりするなかで、「自分を認める」つよい気持ちを育ててきたのだと思います。これ以上に素晴らしいことがあるでしょうか。 努力がもたらす結果は常に生み出されていて、それに気づくことができる者に力を与えてくれます。人に誇るような結果はその時だけのもので継続しませんが、「一時の結果に左右されない自信を持ち、自分の間違いに目を向けてどう努力すればよいかを考えられる人」は、受験後の中高時代の成長も約束されています。あなたは、そんな人になろうとしています。それは、あなたの十代の初めの経験を共有することができた私たちにとっての大きな喜びであり、励みです。

保護者の皆様へ

「教えたとおりに正解できる」ことを目指す指導は、子どもの自信を育てない

カミオカセミナー講師

中学受験において「自ら考える力」が必要であることは言うまでもありません。それにもかかわらず、子どもたちに自ら考えることの弊害になるぼど大量に学習させる指導が大手塾で行われる事実について、よく考えておく必要があります。
たとえば、図形の面積の公式のような「抽象的なパターン」は暗記することができます。三角形の面積は、四角形(その三角形と同じ長さの底辺と高さをもつ平行四辺形、あるいは、それらと同じ長さの2辺をもつ長方形)の面積の半分なので、(底辺)×(高さ)÷2となりますが、台形は四角形であるのに、その面積は(上底+下底)×高さ÷2となり、三角形と同じく「÷2」がつきます。同じく四角形である正方形の面積は、(一辺)×(一辺)でも、(対角線)×(対角線)÷2でも計算でき、初めて面積を学習する子どもたちにとっての「÷2」の謎は深まります。これらの三角形や四角形の面積の公式は、ばらばらのようで本来はつながりがあり、基本的な考え方の延長上に整理できますが、実際には多くの子どもたちにとって「問題を解くために覚えるもの」となっているのではないでしょうか。

たしかに先の「÷2の謎」は、公式を使って解くうちに理解できる時期がくるので、図形の面積の公式に限れば、公式(抽象的なパターン)を暗記した方がずっと効率が良いのかもしれません。しかし、算数全体について言うなら、留意しておくべきことがあります。三角形と四角形の面積の公式を一元的に理解できる力は、算数の根底にある「基本を応用する力」と同じものだからです。基本的な長方形の面積が理解できれば、他の図形については、その応用として自分で具体的な作図をしながら面積の求め方を発見できるのと同じように、すべての算数の応用問題は、基本的な理解をもとにそこから学ぶべきことを発見するように解かなくてはならないのです。算数の力が伸びていく子は皆そのように学習しているように感じます。そんな子どもたちは、ひとしきり考えた後に「あーそういうことか」とつぶやいたり、説明の途中で「もう分かったから、(これより先は自分で解きたいので)教えんといて」と言ったりするようになります。一方まだ自分の考えに自信のない子は、はじめ書いていた答えを自信がなくて途中で消してしまってから、それが正解に近かったことを知って「最初そう思っていたのに(消してしまった)」とくやしがります。しかし、間違うことを恐れて、途中から自分で考えるのをやめていることにこそ、伸びきれていない原因と伸びる余地があることを教えねばなりません。

低学年から上で述べた発見的な学びができる子に限れば、「先取り」や「大量学習」をしても、はじめからパターン化(抽象化)して与えられたものを覚える習慣がつく弊害が少ないのかもしれませんが、そうでないお子さんは、自分で考える自信がまだ育っておらず、そのため「自分で考えて間違うリスクを負うことなく、確実に正解が得られる方法(解き方・パターン・公式)」を聞きたくなるのです。これに同調するように、塾も家庭も「知っていれば正解が得られる方法を与えては、それが定着するまで大量に反復させよう」とします。こうして「忘れることのないようにできるだけたくさん解かせたい」と思う塾と家庭が、「それでもできない(忘れてしまう)自分はだめだ」と思う子を生み出してしまうことがあります。

自分がノートに描いてみた正方形のような具体的なものに、(対角線)×(対角線)÷2という面積の公式のような抽象的な性質を発見するように、具体と抽象を往復して、そのつながりを考えることができるためには、そうした考えを自分のことばで言い表すことができる「ことばの力」が育たなければなりません。ことばの働きそのものである、具体から抽象にいたる道筋を考える力は、はじめから抽象化されたパターンを大量に反復して記憶することでは身につきません。「自分のことばで自信をもって、自分の考えを語る」ことができる子は、ノートの上でもテストでも、「間違わないこと」よりも、自分の力で試行錯誤した、自分から語りたくなるような経験を大事にすることを教えられ、励まされている子どもです。

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